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方便

学生時代、ずっと電気工事のアルバイトをしていた。
もちろん学校があるから休みの日にである。
なにせバブルの最中の事であるから、忙しく、仕事の規模もでかかった。
夏休みなど、家に帰らずバイト先の社長宅で合宿しているようなものだった。
工事から帰ってそのまま呑みに連れてもらったりしていた。

電気工事の社長は仏教について深く勉強しており、
また、学生時代の僕のような青二才の言う事にもきちんと耳を傾けてくれた。
呑みにいって話が深まると「親鸞さんはこんなふうにゆうとる」
などと仏教に関する教え、言葉など教えてくれた。
実際のところは話を聞いてもわかった事などあんまりなかったんじゃないかなー?
と今さらながらに思える。
たくさんいい話聞かせてくれてたのになあ。



名実共にりっぱに(「りっぱな」ではない(苦笑))中年となり、
このところなにを求めてなのか、PCにスピーカーを繋ぎ
いろんな講演会や講義をyoutubeで聞きながら仕事している。

東大の先生であるこの安冨 歩氏の動画を見つけたのも
そうやって面白い話を探していてのことだ。

僕が求めていたからなのかもしれないが
この人の話はスムーズに身体に流れていく感じがした。
もうこればかり7〜8回も繰り返し聞いている。



生きにくい世の中になったと言われてずいぶん経った。
震災を経て、復興もままならず、
多数の人が求めてもいない法律やシステムが次々現実化されていき
不条理感に憤る毎日でもある。
戦争に向かって進んでいくのではないかと
不安にかられる日々でもある。

この不安定な世の中にあって自分の心の置き方をどうすればいいのか。
その答えのひとつが、僕にとってはこの講演会に出てくる、
親鸞の「方便論的個人主義」である気がしている。

戦う時は戦わなければならない。
言わなきゃならない事は言わなきゃならない。
しかしその不条理をもたらすものも自分が一歩前へ進める「方便」なのだと
理解したとたんに今の世の「生きにくさ」すら糧に出来る精神状態を得られる
という気がしている。

電気工事の社長からたくさん仏教の話を聞いた。
あのとき蒔いてくれた種が20年以上も経って
ようやく芽を出した。

そんなこんなのタイミングで
明日は3月11日。


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テーマ : 生きること
ジャンル : 心と身体

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角居康宏

Author:角居康宏
モノを作るのが好きです。
モノを作ることによって
人と関わるのが好きです。

誠実に作ったものは
人の心を動かすと思っています。
美術は人に
熱を与えうると思っています。

僕が、たくさんの作品に
心動かされたように、
僕の作ったもので
誰かの力になれたら。

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