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角居康宏個展 るつぼ @白白庵

何かが切り替わるタイミングってこういうものなのかもしれない。
僕自身の何がどう切り替わるのかはわからないけれど
なんか不思議な運命みたいなものを感じつつはある。
どうなるのかな?

先日、このブログでお話ししたように母校、金沢美術工芸大学にて
1週間講義してまいりまして、なんとか正味5日間で
道具制作→型制作→鋳造→仕上げ(仮)
という日程をこなしてきました。面白かった。
学校の設備のほとんどを使わない鋳造に
鋳金部屋で講師をしている後輩が
「これで鋳金から逃げられなくなったのはある意味怖い」
と言っていたのが印象的でした。

実はこの校舎での講義は最後になります。
来年以降もできるかどうかは美大鋳金の上田先生に
お任せすることとなるのですが、来年以降もやるとなったとしても
来年夏頃だったかな?には美大自体が新校舎に移動することになるため
この場所でやることはなくなります。
この場所は僕が大学の2回目の4年生の時に移動してきました。
最初の4年生の時は休学してケニアに半年行っておりましたので2回目。
大量の砂を土嚢に詰めて旧工場棟から真新しい校舎に運び込んだ
スタートを知ってる身としてはちょっと感慨深いものがあります。

先日恩師の訃報が届きました。
美大鋳金の関源司先生。
かっこよくてチャーミングな先生でした。大好きでした。
あの先生に学べてとても幸せだったと思います。
当時、学内でも喫煙が可能で先生はいつも吸い終えたタバコを
炉の中に放り込んでそれが鋳造のタイミングだったように記憶しています。
「角居、俺が何吸ってるか知ってるか?キャスターだ!」
(キャスターには鋳物師という意味があります)
とニカッと笑う顔を思い出しながら通夜に参列してまいりました。

3年前に母を亡くし、それから立て続けに
学生時代担任でありその後もお世話になり続け
のちに美大学長となった久世建二先生を亡くし、
卒業してから居候をし、父と慕い、今の生き方を決めるに至る
陶芸家 鯉江良二氏を亡くしました。

「作る」という今の僕の人生を決めてくださった人たちが
これで一人もいなくなったという感慨に襲われています。
それと前後してこんな僕が学生に1週間とはいえ教えるという立場。
これからも一作り手として生きていくのですが
何かバトンを手渡されたような不思議な感覚があります。

そしてこのタイミングでの個展のタイトルが「るつぼ」
金属を融かす容れ物であり、
また「人種のるつぼ」という言葉で表されている通り
多種多様なものが混在していることを示す言葉でもあります。

青年期以降るつぼに関わって生きてきました。
金属に関わって生きてきました。
ものづくりを教えてくれた人はいなくなったけれど
これからも僕はこの生き方を続けていくのでしょう。

学生時代鋳金を学び、鉄工所で働き溶接を覚え
独立して鍛金を独学でやり始めました。
そんな金属の多種多様な技法も全部盛り込んで
作品を作りました。

決意を新たにするのに
こんなにぴったりしたタイトルはないのではないかと思っています。

何が切り替わるかわかりません。
でもその何かが本当になるならリスタートが切られている気がします。
本当にするかどうかはこれからの僕次第。

ある意味そんなきっかけの展覧会「るつぼ」
オンラインがメインの展示です。
よかったらご覧くださいね。

26日には南青山ハッピーアワーと称して
トークショーも開催します。
トークショーと言いながら
オンライン飲み会になるのではないかと危惧しておりますが。
酒数寄者、たつにいこと佐々木達郎氏とともに
午後5時から開催。

角居康宏 個展 る つ ぼ
白白庵
ギャラリー開催
11月26日(土)、27日(日)、  12月3日(土)、4日(日)
(11月28日(月)、12月2日(金)は事前予約で来場可能)
オンライン開催
11月27日午後5時〜12月4日(午後7時)
www.pakupakuan.shop

角居康宏個展 2022 るつぼ角居康宏個展 2022 るつぼ 1








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恩返し

現在母校、金沢美術工芸大学に通っています。
「そうか、54になってまた勉強するのか・・えらいえらい」
ってそういうわけじゃなくて、、いや、一生勉強はするんだけども。
特別講義っていうのか、集中講義っていうのか、
なんか名称はわからんのだけど教えに来ました。

現在、美大の鋳金で教えている上田先生は僕の後輩。
以前から何度か僕の鋳造を手伝ってくれていました。
それをやってほしいと。

以前書いたかもしれません。
大学を卒業して、陶芸家の鯉江良二さんのところに転がり込んで・・
もちろん焼き物も学ばせていただきましたが
「スミちゃん、お前鋳造やってたんだからここで金属融かしてみろよ」
の一言でやることに。
一年悶絶しました。
もう何やっていいかわかんないんです。
陶芸の設備は全てあるのに鋳造の設備は一切ない。
そんな中で俺に何をやれと?ってな状況。
結局のところ るつぼがあって金属があってそれを融かす火力があって
それでなんとかしよう。ない道具は作る。
そんな勢いで始めました。
溶接も下手だった。今も下手だけど。
鉄の棒曲げてるつぼを扱う道具を作りました。
あぁ、あんなにいい勉強させてくれたところ他になかっただろなぁ。

一年かけて道具を整え、鋳造にたどり着いて
作品を作りました。
その間、「鋳造」という仕事を自分の中で再構築する必要がありました。
そのおかげで今仕事できている気がします。

大学で鋳金を教えてくださった関先生、
それをぶっ壊して再構築する機会を作ってくれた良二さん。
いただいたものを今度は若い人につなげたいと思います。
1週間(とはいえ月〜金までの5日間)で
何にもない道具を作るところから鋳造、仕上げまで。
できるかな?こんなスケジュールないよな。
昨日まで月曜火曜と道具作り今日は講義と制作
明日はフキ。明後日は仕上げ。
昨日までのスケジュールはクリア。
実際のところ今までで一番いい道具が作れました。
昨日、上田先生と話してて、「これ学生にわかるかなあ。」
「一回社会に出てからじゃないとこの価値わかんないかもしんないなぁ」
なんて話もしてました。
まあ、経験してるのとしてないのは大違い。
社会に出たら鋳金ができないっていう障害は取り払うことができるかもしれません。

さて、今日から講義。
何を僕は彼らに託すことができるのか。やってみます。

鋳造道具

ほっこりな冬支度 7人展 @クラフトA

寒くなってまいりました。
中条から見るアルプスはてっぺんが白くなって綺麗です。
冬が近づいてきましたねえ。はぁあ。寒くなるのかぁ。
冬も好きなんだけどね。工房の中ってあったまらんのよね。
さぶいじゃん。なんども言うけど。

そんな中でもお仕事はやっておりますよ。
まあ、あいも変わらず。
・・・で、展示は金沢。
名鉄エムザ、クラフトA。
もうなんどもこちらで紹介しているので・・・
というか、僕とこちらの店主は友人が被りすぎているので
紹介の必要ないくらいですかね。もう家族。
先日店主からLINEで写真届いて、見てみたら
上田で古着屋「Shabby Clothes&Antiques」を営む
うちのむすこが店主の家のリビングでめっちゃくつろいでた(笑)
、あ、話それてるな。

そうそう、で展示なの。
昨日直接お店に納品に行ったんだけど
つい2日だか3日だか前に母校、金沢美術工芸大学の学園祭「美大祭」
があって懐かしい面々がたくさん集まってきたんだよー。
校舎移転が間近いから最後の校舎見納めに来たってー。
なんて話を聞かされて懐かしい気持ちになりながら・・・

いやいや、話戻せてないじゃんか。
展示なの。
で、いくつか新作見せて、相変わらず酒器が作品群の基軸なもんだから
酒器の包み解いて
そうそう、いつ飲みに行く?なんて話になって、
いや、あそこのバーでこないだ友人Hと友人Sがオタク力発揮して
めっちゃ楽しかったらしいよ。
いやいや、その噂うちの兄貴にまで回っとるから・・
なんて話が・・・・・・・

や、もういいです。
展示です。
もうすぐ始まるんです。

ほっこりな冬支度 7人展
11月9日〜11月29日
名鉄エムザ6階 クラフトA

クラフトAはエムザの5階から6階に引っ越ししました。
ご注意くだされ。

ほっこりな冬支度7人展2022ほっこりな冬支度7人展2022 2

プロフィール

角居康宏

Author:角居康宏
モノを作るのが好きです。
モノを作ることによって
人と関わるのが好きです。

誠実に作ったものは
人の心を動かすと思っています。
美術は人に
熱を与えうると思っています。

僕が、たくさんの作品に
心動かされたように、
僕の作ったもので
誰かの力になれたら。

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