fc2ブログ

遊戯三昧(ゆげざんまい) 京都 大徳寺黄梅院

ロシアがウクライナに攻め込んで戦争が始まりました。
恐ろしいことです。
今年1月21日、世界の終末時計が残り100秒と発表されましたが
その時の世界のリスクにロシアとウクライナの戦禍の影響は
もちろん入っていません。
今発表するとなると一体何秒になるのでしょうか?
皆さんの中には募金やデモなど実際に活動される方がおられるかもしれません。
しかしこの状況に憂慮される方全員が「祈る」という行為を
知らず知らずであったとしてもしていることと思います。
遥か昔から人は危機的状況に対して祈ってきました。
その姿は時代が変わろうと変わっていません。
早く状況が収まりますように。

人が祈る場所といえば神社仏閣。
神社仏閣がたくさん存在する場所、京都の中でも有数の名刹
大徳寺にてこのたび展示をさせていただくことになりました。
大徳寺といえば20以上の塔頭が並ぶ大寺院ですが
その中でも織田信長が父、信秀を供養するために建てられたという
由緒の黄梅院
千利休が作ったと言われる庭園、直中庭(じきちゅうてい)
利休の師である武野紹鴎(たけのじょうおう)が作ったと言われる
茶室、昨夢軒(さくむけん)があり、教科書に載る名前がずらり。
いくら歴史に疎い僕でも背筋の伸びる思いがします。

展覧会名は「遊戯三昧(ゆげざんまい)」
字面だけでいうと遊びまくる放蕩息子みたいな印象ですが、さにあらず。
れっきとした仏教の言葉です。
遊戯(ゆげ)とは「何物にも囚われずに自由自在であること」
「嫌なことであろうとやることそのものを楽しむこと」
であるとし、
三昧とは「心を一つに集中し雑念を振り払った無我の境地」
のことであるといいます。
遊戯三昧とは「自由であるということに完全に集中できた状態」
語弊を恐れずもっと単純に言い換えると「自由の境地」
ということでしょうか。
自由の境地ってどんなんだろう?

大徳寺は応仁の乱で一度焼失したんですがこれを復興させたのが
一休宗純。
「好き好き好き好き好きっ好き、愛してーるー♪」の一休さん。
(あれ?これ、わかんない年代の人の方が多いんかな?)
実のところあんなに可愛らしい人じゃなくて(笑)
酒も飲むし女も好きだし正月に骸骨見せびらかして歩くし、
絵に描いたような破戒僧。
しかし常識にとらわれずに真摯に仏教そのものと向き合って
生と向き合って生きてきた本物のように僕には思えます。
「南無釈迦じゃ 娑婆じゃ地獄じゃ 苦じゃ楽じゃ どうじゃこうじゃというが愚かじゃ」
とは一休さんの言葉。
言葉に囚われず、苦も楽も俯瞰した視野で物事を見る
その視野こそが自由の境地と言えるものなのかもしれません。
その一休さんに深いゆかりのある大徳寺。
その場所で「遊戯三昧」と称した展覧会を開くことができる。
なんともまあものづくりとして幸せなことだなあと思うのです。

遊戯三昧(ゆげざんまい)
大徳寺黄梅院
4月4日(月)〜4月10日(日)会期中無休
10:00〜16:00
拝観料800円

遊戯三昧フライヤーオモテ遊戯三昧フライヤーウラ

会期後半二日間は呈茶があります。
ほとんど席が埋まってしまいました。
3月6日現在、9日の10時、12時。10日の10時の席にすこーしの空きがあるだけです。
こちらからエントリーください。

遊戯三昧呈茶QR

スポンサーサイト



プロフィール

角居康宏

Author:角居康宏
モノを作るのが好きです。
モノを作ることによって
人と関わるのが好きです。

誠実に作ったものは
人の心を動かすと思っています。
美術は人に
熱を与えうると思っています。

僕が、たくさんの作品に
心動かされたように、
僕の作ったもので
誰かの力になれたら。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
02 | 2022/03 | 04
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR