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シンビズム

ちょっと日が長くなって来ましたねぇ。
今日は長野は快晴。あったかい気がします。
こうやって少しづつ春になっていくんですねえ。
でも明日の最低気温の予想は−8度。気を抜いてはいけません。

2016年、県の事業として『長野県芸術監督団』が結成されました。
それぞれの芸術分野で監督を置き、芸術分野の発信、底上げを図ろうというものです。
監督は次の方々
【舞台】串田 和美 氏(俳優、演出家、まつもと市民芸術館芸術監督)
【音楽】小林 研一郎 氏(指揮者、東京文化会館音楽監督)
【プロデュース】津村 卓 氏(上田市交流文化センター館長)
【美術】本江 邦夫 氏(多摩美術大学教授)


美術分野は多摩美大の教授、本江氏。
残念ながら僕、本は読んでないんですが・・
あ、読んでた。「中・高生のための現代美術入門」図書館で借りて読んだことある。
しかし、本江さんはギャラリーによく足を運ぶ評論家として
色々なところで名前を伺ったりしたのです。

その、本江さんが旗を振って始まった事業「シンビズム」
信州・審美眼・美術・イズムなどを合成してできた造語。
長野県は日本で一番たくさん美術館がある県なのですが
(あれ?人口比率でかな?)
美術館同士の相互の関係性が薄い。ということで
それぞれの美術館の学芸員が選出した20人の美術家を
お互い連携を取りながら展示をし、社会に発信していこうという企画です。
20人の美術家が四会場、5人ずつに分かれて展覧会を行います。

その「シンビズム」20人の美術家の中に僕も選出され、
もうじき展覧会が始まります。
僕は木曽会場。場所は木曽御料館
御料館 
なんともすってきな建物ではないですか。
内部もクラシカルでいいんです。階段の手すりとかたまんないんす。
搬入日は天気が良かったので、ぱっと見、「お・南欧か?」
ってな風情ですが気温は零下でした(笑)

僕が担当した部屋は普段動物の標本が置かれている場所。
見た瞬間に「ここで標本に囲まれてやりたいです」って手をあげてました。
昨年夏に金沢でやった個展「野辺」テーマは死を扱っていて
ここに下見に行った時点ではまだ作品はできていなかったんですが
おびただしい死に囲まれて展示するというイメージがパッと浮かんだんです。
その後、作品も制作し、金沢での展示も無事終わり、
今回は台座を新たに作ることによって、さらに突っ込んだ表現にしたいと考えました。
鉄の錆びた台。命も朽ちていく、物質も朽ちていく
そういう空間が今回作れた気がしています。

これを見た方がどんな風に捉えてくれるか。
金沢の個展。「野辺」で僕が書いた一文の最後、こういう分で閉めています。

生まれ、生き、死ぬ。
私たちは死へ向かってひた走っている。
死を思うとき、生は濃く彩られる。

そんなことを考える一瞬が観る方にも伝わりますように。

期間は2月24日〜3月18日
どうぞたくさんの方に足をお運びいただけますように。

シンビズム展示 

追:
中条アートロケーション《場》を作るプロジェクトの
クラウドファンディングやってます。
こちらにもたくさんの方に関心を持っていただけますよう。

https://greenfunding.jp/showboat/projects/2129

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神鏡を磨く

サビいっすなあ。冬ですからねぇ。
しかし、長野はいつも通り寒いけど雪は少ない。
北陸は大変な目にあってるとのこと。
みなさまご苦労様です。くれぐれも雪かきで腰痛めないようにね。
そうそう、金沢では雪かきのこと「雪すかし」って言います。
フェイスブックで繋がってる金沢の友人たちの投稿に「雪すかし」の言葉が
一斉に載るのを見て懐かしい気持ちになりました。

「角居さん、八咫の鏡(ヤタノカガミ)磨いてくんねぇかい。」
そう言われたのは今年の地区の新年会。
びっくりしました。
八咫の鏡とは神社の奥、真ん中に鎮座する丸い御神体の鏡
実際には三種の神器の中の鏡の固有名詞でもあるので
一般名称で「神鏡」と呼ぶことにします。
そもそも神鏡なるものに触れることすら想像に及ばないくらい
僕の中では尊い存在でした。
昨年同じ神社、僕の住んでいるエリアの鎮守、田面稲荷神社(たづらいなりじんじゃ)
の鈴が破損してしまい、それの修復をさせていただいたので
それを見込んでのことだったと思います。

実際に受け取った神鏡は直径約一尺、厚さ1センチほど、
綺麗な真円の白銅製でした。白銅でしたら扱ったことがあります。
裏にはこの鏡を奉納した方の名前と奉納日が彫られています。
昭和6年に奉納。
戦前、戦中、戦後と激動の時代を見つめ、
大事に扱われてきたのであろう御神体を手に触れる。
なんとも不思議な感触がしました。
表面が酸化してざらつき、白く変色しておりましたが
腐食は深くはなさそうです。
神鏡研磨前 

まずは酸洗。
硫酸に浸し、頃合いを見て重曹で下研磨、
ざらつきがなくなり少し光沢が出てきました。
神鏡研磨途中 

後はひたすら面を壊さないよう、バフにて研磨していきます。
完全に曇りが取れるまで全体に7〜8回も研磨したでしょうか。
不思議なもので研磨していくと前の仕事、作った時の仕事が見えてきます。

磨き始める時、僕は一つルールを決めました。
それは「放射状に研磨すること」
鏡を御神体にするとは
「敬虔で清らかな気持ちで己を見つめなおす」という意味もありますが
太陽を神格化した「天照大神」を御神体とするという大前提があります。
お社の中に収める神札、神宮大麻にも「天照皇大神宮」の文字がありますよね。
太陽の化身である以上、光は中心から外に向かって放射されるはず。
ただ周りを映す鏡ではなく放射状に光が発散されるべきだと思いがあり、
中心から放射状に磨いていきました。
ただ、この磨き方をすると真ん中を強く研磨する可能性があるため、
面が壊れないかという心配があり、注意深く見ながら作業を進めなくてはいけません。
ありがたいことに僕の研磨による面の波打ちは免れたのですが
変な方向にわずかな揺れがあるのです。
鏡面に近づくほど写り込みが顕著になりますのでよくわかります。
その揺れはどうも製作時におけるやすりをかけた方向の波打ちのように思うのです。
先人の仕事が垣間見える、昭和6年の職人が心を込めて制作した仕事の一端が覗ける
とても貴重な経験でした。

今日、僕に研磨を頼んでくれた方にお戻しし、「さすがだねえ」
とのお褒めの言葉をいただいて参りました。
約2週間ほども御神体不在にしてしまい大変申し訳ないことではありましたが
近いうちにまた田面稲荷神社にご神鏡が戻り、今まで以上に
僕らの心のうちを映してくれるのではないかと思います。

神鏡研磨後 
真ん中上部に写り込んでいるのは道祖神をかたどった松本の道神面。
アマテラスをかたどった神鏡に道祖神が写るなんてすごい物語になりそう。。
作業のための経過写真なので写真の質はかんべん!

僕の作品に「依代(よりしろ)」というタイトルのものがあります。
もちろん僕が作りますので金属製です。
本来、木をよりしろとする神籬(ひもろぎ)と
石をよりしろとする磐座(いわくら)の二つがあり、
そのほかはありえないと思っておりました。
しかし今回この仕事をするにあたり、一番僕らが目にする御神体、依り代が
金属製であるということを気づかせていただくありがたい経験でした。
何か背中を押していただける、そんな機会になったと思っています。



中条アートロケーション《場》始動!

前回のブログが元旦だったので一月以上経ってしまった・・・
書くことはたくさんあったのに・・・
慌しく毎日が過ぎていきますね。
一月からこれじゃあっという間に年末を迎えてしまうかもしれない・・・

前回、元旦のブログで公開工房「中条アートロケーション《場》」を作る事、
作るに当たってクラウドファンディングを立ち上げ
皆様からご支援いただきたい旨、お伝えいたしましたが
2月1日クラウドファンディング始動いたしました。

小さい頃、雑誌「ムー」が好きでした。
ノストラダムスの予言もちょっと信じていました(笑)
アンゴルモアの大王はどんなやつでどんなことが起こるんだろうって
不安やらドキドキやらないまぜの感情で1999年を迎えたこと覚えております。
何事もなく2000年を迎え、
しかし心の奥底に今でも引っかかったままの感情というのがあります。
「この世はいつかは終わる」というものです。

科学者はこう言うんですよね。
例えば太陽にも寿命があって膨張を続けた後死に至る。とか
宇宙自体もいつまでも続くものじゃなくて膨張し続けてから爆発する。だとか
いやいや、膨張じゃなくて収縮していくんだ・・とか。
その後必ず「何十億年か後にね」ってのが入る。
いや、ちょっとそれは置いといて・・って感じになりますが(笑)

1999年は無事に過ぎたけれど、2011年3月に東北の震災が起こり
やっぱりこの世は永遠には続かないかもしれないことを示唆されました。
何かアクションを起こしたいのにどうすればいいかわからない
モヤモヤをずっと抱えたまま生きています。
そんな人、きっとたくさんいるよね。

もっと一生懸命生きようと思います。
もちろん今までも一生懸命生きてきたつもりだけれど
いつかおこるかもしれない何かのために
今を一生懸命にやってみようと思います。
そのための一歩を勇気を出して踏み出してみたいんです。
自分のことももちろん、まわりが元気になるようなことが
今年50歳になる今なら何かできるかもしれないなって思ったんです。

長野の限界集落に工房を作ります。
たったそれだけのことですが
僕の呼びかけに応じてくれたスーパーな仲間たちがいます。
なにか起こせそうな気がしています。
スーパーな仲間たちがこんな素敵なページを立ち上げてくれました。
他のどんなクラウドと比較しても胸を張れるリターン品も揃いました。
すでにいくつかのご支援をいただきました。
「ひたすら自由に、面白いことやってください!」
という素敵なメッセージを添えてくれた人もいます。

どうか、このページを最後までご覧くださり、
活動の目的を知ってください。
そして、よかったらご支援、お願いいたします。
クラウドページの入り口はこちらです。

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プロフィール

角居康宏

Author:角居康宏
モノを作るのが好きです。
モノを作ることによって
人と関わるのが好きです。

誠実に作ったものは
人の心を動かすと思っています。
美術は人に
熱を与えうると思っています。

僕が、たくさんの作品に
心動かされたように、
僕の作ったもので
誰かの力になれたら。

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