野辺(のべ) 角居康宏 個展 at as baku B (金沢 尾張町)
「角居には”生と死”をテーマに個展を開いてもらいたい」
大好きな、そして素晴らしい芸術家としても大変敬愛している先輩
新保 裕さんから連絡をいただいたのは昨年の暮れでした。
昨年の秋には東京、京橋で個展『層』を発表し
自分の中ではある区切りができていました。
このブログでは何度もお伝えしていますが
今までずっと一貫して『はじまり』をテーマとしており
僕なりのその「はじまりの物語」が一つの終わりを迎えている気がしていたのです。
なんだかんだで作り手のキャリアをかれこれ20年以上
その間、火や融けた金属を扱うことの意味を考え続け
宇宙、世界、事象、生命、意識のはじまりについて思考、制作し
昨年、『層』では社会というものが始まる形態を現し
そこから先の「はじまりの物語」を紡げない感覚がありました。
「はじまり」を考え続ける中で、
「死」について、つまりは「おわり」について
考えなくてはいけない局面が度々あったことは
ある意味必然なのかもしれません。
漠然と、次に取りかかるべきは「死」についてであるという予感がありました。
そんな中での先輩からの申し出、
なんとも偶然とは言い難い道を用意していただいた気がしています。
大好きな、そして素晴らしい芸術家としても大変敬愛している先輩
新保 裕さんから連絡をいただいたのは昨年の暮れでした。
昨年の秋には東京、京橋で個展『層』を発表し
自分の中ではある区切りができていました。
このブログでは何度もお伝えしていますが
今までずっと一貫して『はじまり』をテーマとしており
僕なりのその「はじまりの物語」が一つの終わりを迎えている気がしていたのです。
なんだかんだで作り手のキャリアをかれこれ20年以上
その間、火や融けた金属を扱うことの意味を考え続け
宇宙、世界、事象、生命、意識のはじまりについて思考、制作し
昨年、『層』では社会というものが始まる形態を現し
そこから先の「はじまりの物語」を紡げない感覚がありました。
「はじまり」を考え続ける中で、
「死」について、つまりは「おわり」について
考えなくてはいけない局面が度々あったことは
ある意味必然なのかもしれません。
漠然と、次に取りかかるべきは「死」についてであるという予感がありました。
そんな中での先輩からの申し出、
なんとも偶然とは言い難い道を用意していただいた気がしています。
今回の展覧会名『野辺』は作品名ではありません。
新作としては『標』と『たま』という2シリーズの連作を展示することになります。
「野辺」には文字通り「野のあたり」「野原」という意味もありますが
「埋葬場」の意味もあり、今では田舎の方でしかあまり使われなくなりましたが
埋葬場、火葬場へ向かうことを「野辺送り」と言ったりします。
「野辺」とは死者が眠るところ、魂がたゆたうところ、
この世とあの世の緩やかな境界線というイメージが
多分ついこの間、僕たちのおじいちゃんの世代あたりは
持っていたのではないでしょうか。
その「野辺」を限られたギャラリー空間で表現できたらと考えています。
全然意識していませんでしたがちょうどこの8月というタイミングは
お盆であり、戦争の区切りの時期でもあります。
こんな時期だからこそ、きちんと「死」について考えるように
導かれたのかななんて感じている今、展覧会直前なのです。
野辺 角居康宏 個展
as baku B(金沢市尾張町2-10-6)
新作としては『標』と『たま』という2シリーズの連作を展示することになります。
「野辺」には文字通り「野のあたり」「野原」という意味もありますが
「埋葬場」の意味もあり、今では田舎の方でしかあまり使われなくなりましたが
埋葬場、火葬場へ向かうことを「野辺送り」と言ったりします。
「野辺」とは死者が眠るところ、魂がたゆたうところ、
この世とあの世の緩やかな境界線というイメージが
多分ついこの間、僕たちのおじいちゃんの世代あたりは
持っていたのではないでしょうか。
その「野辺」を限られたギャラリー空間で表現できたらと考えています。
全然意識していませんでしたがちょうどこの8月というタイミングは
お盆であり、戦争の区切りの時期でもあります。
こんな時期だからこそ、きちんと「死」について考えるように
導かれたのかななんて感じている今、展覧会直前なのです。
野辺 角居康宏 個展
as baku B(金沢市尾張町2-10-6)
8月17日(木)〜30日(水)(会期中無休)
11:00〜18:00
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2017年 ヒロシマ賞
ヒロシマ賞(平和を希求する現代美術のアーティストに3年に一度贈られる賞)
の受賞者が決まり、現在 広島市現代美術館にて受賞記念展が開催されている。
今回、第10回ヒロシマ賞の受賞者はモナ・ハトゥム氏(1952年生まれ、レバノン出身、ロンドン及びベルリン在住)。
の受賞者が決まり、現在 広島市現代美術館にて受賞記念展が開催されている。
今回、第10回ヒロシマ賞の受賞者はモナ・ハトゥム氏(1952年生まれ、レバノン出身、ロンドン及びベルリン在住)。
今回も父と慕う鯉江良二氏がトロフィーの制作にあたり、
実制作として関わらせていただいた。
4回の契約となっており、今回がトロフィー制作の最終回となる。
第7回(2007年決定) 蔡國強/美術
第8回(2010年決定) オノ・ヨーコ/美術
と4人の受賞者の元に僕が手がけたトロフィーが渡ったことになる。
大変光栄であるとともに、不思議な感覚にもつながっている。
それはワールドワイドにつながる美術の世界の端くれに自分もいるのだという意識、
それから平和を希求するアートが世界を動かす可能性と、
またこれだけの、いや、ほとんどのアーティストたちが求め続けているのに
それから平和を希求するアートが世界を動かす可能性と、
またこれだけの、いや、ほとんどのアーティストたちが求め続けているのに
平和というものはこれほどまでに手が届かないものかという感慨である。