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一年越しの宿題

雪が降りました。長野にも。
東京大騒ぎでしたね。そういや。
実はその間、ノーマルタイヤで金沢に出かけていて
長野に帰れるかひじょーに不安でした。
しかし帰る頃には雪も融けていて無事到着。
ありがとう!神様!
いやぁ、なんか守られてる感じします。
どピンチの時も何かしら救われるんですよね。ホント。
ありがたやありがたや。

金沢では幾つか用事が重なっていたのですが、
中でも1年以上引きずっているこの仕事は
申し訳ないやら心苦しいやらで
ようやく完了できたことホッと胸をなでおろしています。

昨年9月、手すりを取り付けに行ったこと、
このブログでも書きました。(「手すり」参照)
絵を描いたピースが宿題になってることも。
その宿題が1年越しでようやく納めることができたのです。
ホント、辛抱強い施主様でありがたいです。
怒るでもなく、ご家族全員で仕上がりに喜んでいただき
とても幸せな仕事となりました。
僕自身も初めての質の仕事でうまくいくといいなと思っておりましたが
自分の思い以上に良くできたかなと思っています。

手すり絵2 手すり絵4 手すり絵3 

タガネという道具、版画で使う彫刻刀の金属版ですが
彫刻刀のようにただ押しただけでは金属の表面にうっすら傷がつくだけなので
オタフクという彫金用の金槌で叩いて掘り進めていきます。
1ミリ進むのに3回くらい叩くかしら?
お子さんが描いた絵をサイズ合わせして複写し、
その線に沿って掘り進めていきます。

この絵を彫り込んだ全体像がこちら。
手すり全体1 

昨年製作した分はずいぶん色も変わってまいりました。
今回取り付けた分もだんだんと馴染んでいくでしょう。
今は色が新しい分、そこだけが絵画作品となっている感じがします。

・・・ところで・・・
お恥ずかしいことですが手すりだけじゃなかったんです。
表札と玄関のドアノブのカバーも宿題になっておりました。

ドアノブのカバー?なんだそれ??
と思われると思いますが、
玄関ドア自体が丸ノミではつった質感となっており、
既製品ではどうも釣り合いが取れないということが悩みだった様です。
前回手すり取り付けの際に寸法を測り、それに合わせての製作。
しかしやはり現物がないというのは不安なものです。
ガタつきがないことを考えると
内寸が実物プラス0.5ミリくらいで収めなきゃと思っておりましたが
念が通じた様ですね。現場で20分ほどヤスリで調整するくらいで
ピッタリ収まりました。

ドアノブカバー取付前 
このハンドルが・・・

こんな感じに。
真鍮板に叩き目のテクスチャーをつけ、
物質感が強く出る様にしました。
ドアノブカバー取付後  


表札は字も僕が書いたものをということでした。
金属を加工するよりずっとハードル高いですね。
画数の少ない名前なので非常にバランスが取りにくい難しい字でした。
載せても良いという許可をいただきましたので
ここに公開させていただきます。

九谷邸表札 

取り付け終わって撮影する頃には暗かったので
ピントが合ってなかったですかね。色もきちんと出てません。しまった。

材質は板厚2ミリの銅のプレートをベースに
板厚1ミリの真鍮板を文字の形に切り抜き、ろう付け。
深めの緑青に着色して文字部だけ研磨。
いろいろと手も込んでおります。
ご家族で仕上がりに喜んでいただいたようですが、旦那さんが
「色もいいが、控えめな面白い字体でおしゃれ」って言ってくれたそうで
報われた感じがしてとても嬉しゅうございました。

表札、ドアノブは統一感取れてるかしら?
素敵な玄関だと僕は思っておりますが。

九谷邸玄関 

暗いからわかりにくっ!

仕事ってもちろんご飯を食べる為にやるものですが
自分のやったことが誰かの喜びになるというのが
次の仕事への大きな推進力になってくれますね。

喜びの向こう側に仕事がある、仕事が喜びをもたらしてくれる。
そういう風にいいループに繋げていけること、幸せに感じています。


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OPEN!! Craft&Lifestyle Shop ENNE(エンネ)代官山 

毎日お寒いことでございます。
3年前はこの時期で大雪が降っていたとのこと
そろそろタイヤの交換時期ですね。
あぁ、雪が降る季節だなあ・・。

昨日より、伊勢丹相模原店5階にて「秋・冬のくらしを愉しむ道具展」
始まりました。
相模原は少しは暖かいのでしょうか?
先日出かけた代官山は寒かったですよ、長野から行っても。
たまたま寒い日だったのですが。

さて、その代官山。
先日のイベント会場、蔦屋書店 T-SITE GARDENから歩いてほんの3〜4分
sarugakuという施設?エリア?に
我が故郷、石川県に拠点を置くセレクトショップ
ENNE(エンネ)が来る19日、オープンいたします。
母体は加賀市山中温泉の漆器販売 清雅堂。
ENNE店内は山中漆器を中心とし、北陸ゆかりの作り手を紹介してくれています。
長野在住ではありますが、北陸ゆかりということでお話いただき、
ショップスタートの棚の一角を預からせていただくこととなりました。

これも人のご縁が始まりでした。
回り回ってどこがスタートかわからないくらいです。
あの人から紹介されたんだけどあの人はあのお店の展示で会って
そのお店に出したのはあの人の企画でその人を紹介してくれたのは
え〜っとあの人だったっけ??
不思議なものでお互いに嬉し嬉し、楽し楽しで集う仲間は
いい空気感しか生まない感じがしています。
今回もいい人と繋がれたと喜んでいます。

このショップのスタートも喜びに満ち溢れたものでありますように。
19日、オープニングセレモニーありますね。
どうぞお近くの方、足をお運びくださいね。
よろしくお願いいたします。

代官山enne 代官山enne 宛名面 

秋・冬のくらしを愉しむ道具店 at 伊勢丹相模原店

代官山、T-SITE GARDEN GALLERYでの
アート&クラフトイベント SEPIA 
無事終了いたしました。
足を御運びの皆様、ありがとうございました。

いやぁ、東京はさぶいとこでした。
っつって木曜長野を出発する時(朝6時)外気温2度、
碓氷の峠の温度表示がマイナス1度でしたので
この木曜日金曜日が寒かったんでしょうね。
なかなかお出かけしてショッピングという気持ちにならないのか
人の流れも今ひとつのような印象でした。
でも新たにいろんな人と繋がれて楽しゅうございました。

夜通し運転し、夜中に帰ってきて疲れも取れぬままではございますが
次に参りましょう。
時間は待っていてはくれないのでする。

次は相模原。これまた初めての場所。
もうね、ゼンッゼン関係ないんだけど
前からやってみたかったことやってもいいすか?
おいおいおいおいとか思うでしょうけど許してください。
やりたかったんですから。

相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模
相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模
相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模
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相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模
相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模相模


あ、なんだかわかんない人スルーしてくださいね。
自分で作ってもわかんないのでなかなかいい出来です。
わかった!って思っても僕からは景品とか出ないですからね。
でもそっと教えてくれたりしたら嬉しいです。

さて、そんな(どんな??(笑))相模原です
確か神奈川県。神奈川県はデビュ・・・あ、じゃないですね。
横浜高島屋にずいぶん前に行った覚えがあります。
さて、今回はどうなりますでしょうか?
神奈川県に受け入れていただけるでしょうか?
今回も名うてのクリエイターとご一緒させていただきます。

・・・・秋・冬のくらしを愉しむ道具展・・・・
11月16日(水)〜29日(火)
伊勢丹相模原店5階=特選和食器
10:00〜19:00(最終日16:00まで)

相模原伊勢丹 写真面 相模原伊勢丹 宛名面 


長野でのイベントも色々重なっており今回はお邪魔できないかと思いますが、
もしお近くの方いらっしゃいましたら是非お越しくださいませ。

Sepia アート×クラフト  at DAIKANYAMA T-site garden gallery

もう一日中ストーブ要りますね。さぶい。
十二月いっぱいくらいまでは寒さに順応する時期で寒く感じます。
一月まで行くと気温的にはずっと低いのに 体が慣れちゃうって感じがします。
個人的な感覚ですが。

そんなわけで長野は寒いですが
先月までせっせと通っていた東京はどうでしょうか?
やっぱ寒いかな?
様子を見にというわけではありませんが今週木曜、金曜は
また東京へと参りましょう。

場所は代官山。
どうやっていったらいいかわかんない。地理感一切なし。
初めて訪れる場所です。新鮮!!
でも地名としては聞いたことはあります。
なんか高級なイメージ。

TSUTAYAのでかいのだか綺麗なのだかあるんですよね。
よく雑誌とかに載ってたりラジオで紹介してたりするやつ。
そのTSUTAYAの中?なのかな?隣?なのかな?
T-SITE GARDENっていう場所が次の展示場所。
ありがたいですね。仕事が縁のなかった場所につないでくれます。
本屋は好きですがそんなおっしゃれな場所はなかなかご縁がありません。

TSUTAYAといえば春に京都の蔦屋書店で扱ってもらってました。
そちらからいくつかがどなたかの元へお嫁入りしました。
さて、今回は嫁ぎ先が見つかる子はいるかな?
代官山の皆様に気に入っていただけたら良いのだけれど。

今回の展示はSepiaという催し。
10日(木)11日(金)二日のみ。
作家やメーカーが出店するのでクラフトフェア的なイメージなのでしょうか?
以前も友人を通じてお声掛けいただいたのですが他の展示と重なって
参加見送りとなったのですが、今回はなんとか時間も取れました。
そんでまぁこの話、今回 長野市の方から呼びかけがありました。
やっぱりいろんな人と友達になっとくもんですね。
長野市代表のつもりで長野を汚さぬように頑張って参る所存です。
東京の皆様、代官山の皆様。二日間よろしくお願いいたします。

代官山sepia 代官山sepia裏 



個展を振り返って。

11月になりました。

9月の葛西 関口美術館での個展、10月の京橋 ギャラリー川船での個展
大きな個展をあいだほとんど開けずに開くというちょっとした無謀もなんとかのりこえ、
ほっとするどころか10月いっぱい〆切の納品もあったりして
怒濤の毎日を過ごしています。

さすがにこの歳になると後輩達にものづくりのあれやこれやを話す機会もあり、
そのたびに「個展したら?」って言います。
これは父と慕っている鯉江良二氏から言われたことでもありますが。

グループ展、企画展は責任のありかがぼやけるんですよね。
なので僕個人がつまんないものをつくっても展覧会自体は大成功ということが
まぁ、往々にしてあります。
でもやっぱり失敗は失敗として自分で乗り越えないとですね。
いたたまれない空気の中に身を置くことも経験しないと。

美術なんて世界は勝手なことをやっていいようなもんだけれど
やっぱり自分のやりたいことが明確に見えてくると
針の穴を通すようなシビアな部分を求める自分の眼というのも
必要になってくるように思います。
それは場が育ててくれる以外に無いような気がします。

困ったことに、ある表現で自分のスタイルが築けたとして
その仕事は将来の自分を小さくします。多分。振幅の巾を狭めるから。
安定したいのだけれど安定しちゃいけない。
不安定の上で揺れながら作り続けることは
シビアな自分の眼を信じるしか,そしてそれに正直であり続けるしかない。

いつもそうなのですが、今回も川船さんに大事な言葉をいただきました。
「このレベルの仕事を続けたら世に出れるねぇ」
「仕事は一流なんだからちゃんと広める努力をしなさい」

今回、いい仕事ができたと思っています。
そして川船さんが言うところの「このレベル」とは
いい仕事を乗り越えてきたこの眼を信じるということでしか維持できないかなと。
そして信じられるならそれをひとに繋ぎなさいと。

昔のカローラのCMで忘れられないコピーがあります。
『変わろう。変わらない為に。』

これからもよろしくお願いします。
変わり続ける僕を。変わらない眼で。

層 川船パンフ 


プロフィール

角居康宏

Author:角居康宏
モノを作るのが好きです。
モノを作ることによって
人と関わるのが好きです。

誠実に作ったものは
人の心を動かすと思っています。
美術は人に
熱を与えうると思っています。

僕が、たくさんの作品に
心動かされたように、
僕の作ったもので
誰かの力になれたら。

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