素材変われば。

3月も半ば、春も近づいてきているのはよくわかっているつもりですが、
ここんとこ寒い日が続きます。
啓蟄も過ぎ、「もう春だかんな!』っつって
フライング気味に出てきた虫達もこの寒さに慌ててるんではないでしょうかねえ。

僕は今モノづくりの世界になんとかかじりついていて、
例えば錫の鍛金で器を作って皆さんに買っていただいて
生活しているということなんですけれども
そもそもはフライング気味のスタートでした。
というのも、学生時代、学校では鋳金を学んでおり、
鍛金なんて「やってるの見たことあるー」程度だったんです。
やったこともないのに「錫の鍛金で茶托作れますか?」
って言う注文に
「できますよー!」なんてハッタリをかまして
うけちゃったことがきっかけなもんだから、
それからが大変でした。
道具作り出して血眼になって資料探して
いくつも失敗して・・・

キャリアのスタートがそんなだもんだから、やったことのない仕事に対しても
「誰か出来てる人がいるんだから自分に出来ない道理はないわなぁ」
と思って引き受けてしまうんです。
いわば、ハッタリとフライングと勘違いで仕事が広がり、
それが自分を成長させてくれているとつくづく感じております。

さて、工芸の世界、美術の世界、モノづくりの世界と言っても
多種多様な素材、作り方、アプローチがあります。
金属の世界だけとっても、素材が変われば製法が全然変わるということがあります。
堅さが違う、溶接性が違う、食器に対する適正が違う。
そうすると作り方も自ずと変えなきゃならない。

今回、仲良しの魔法使い、出雲のシゲちゃんから
銅のカップ作ってとの依頼があり、制作いたしました。
シゲちゃんにはハッタリをかませる必要はありません。
こちらが出来ると出来ないとにかかわらず豊かな世界観を伝えてくれるから。
するすると引きづりこまれちゃうんですよね。
ハッタリかまさないけれども、勘違いとフライングが最初から約束されるっていう・・・


錫の場合は溶接性がよく、側板と底板は別で作ればいいのだけれど、
銅はその焼き鈍し性と展延性の高さにより、
深絞りという方法をとった方が出来がいい。
・・で、やってみましたよ。
なんだか悪くないみたい・・・っていうか好き。
いろいろと自身を成長させてくれる仕事となりました。
シゲちゃん,イギリスで使うっていうから
把手はむしろ和風。土瓶や鉄瓶と同じ作り方で作ってみましたよ。
これも悪くないんじゃな〜い。

さあ、イギリスではこのカップがどんな出会いや勘違いをもたらしてくれるか。
土産話が楽しみ!!
銅カップ

スポンサーサイト

5年目の3.11

あれから5年が経ちましたね。

あんなに大きなことがあったのに僕は今、普通に笑って毎日を過ごしています。
帰る場所のなくなった方や、家族や親しい人をを亡くされた方は
どうやって毎日を過ごしているのだろうと思うことも
年ごとに少なくなっていきます。

それでもと毎年ではありますが善光寺の法要に行ってきました。
手を合わせて東北のことを思い出しました。

福島、渡利地区にあるステキなカフェギャラリー『風と木(ふうとぼく)』で
妻と二人展をしました。
ご家族でお店を切り盛りされていたのだけれど、
ご飯がおいしくて、コーヒーが美味しくて
みんなのホスピタリティが素晴らしくて、
人柄がたまらなくステキで、
ゆったりとした時間が流れてて・・
あ、大学の先輩が近くもないのにわざわざ訪ねてきてくれたりしました。
やはりモノづくりをしている先輩でいっつも笑ってる。
ずいぶん先輩なのにすみちゃんすみちゃんってかわいがってくれる。

塩竈の沖にある桂島の民宿に泊まったこともありました。
民宿のおっちゃん、港に着いたら軽トラで迎えにきてくれてて、
荷台に乗っけてくれた。
細い道を加減なしに飛ばしてく軽トラ
こっちはちっちゃい子供二人連れの家族4人
軽トラの荷台で松の枝にアタマぶつかりそうになりながら
大騒ぎしてたなあ。
晩飯はサカナのフライだった。ちょーうまかった。
おっちゃんの娘が北海道に居るとかで
おまけで毛ガニつけてくれた(笑)
どっちメインだよとか思ったっけ。

宮城県の栗原には展示と公開制作で行ったなあ。
夜通し外で飲んだ。塩むすびがうまかった。
ひどい雨に降られたんだっけ。
みんなおもしろくていいひとばっかで。
なかなか会いにいけないけど大事な仲間。
そうそう、旅の若者二人通りがかって
フラ〜ッと来たのになんかすごいファイヤーダンスとか
したりして。ウチにも遊びに来てくれたなあ。
ステージで太鼓のすごいパフォーマンスしてた
いっつぁんは世界で和太鼓たたくすごい人になっちゃったなあ。

それにしてもなーんもない南三陸はつらかった。
なーんもなかった。
高さがどれだけあるかわからない大きな山になったガレキがあった。
ここに人の営みがあったって想像することがつらかった。
被害にあった小学校のわきを通るのがつらかった。

あれだけ大きな被害にあったから・・
というだけでは無いような気もするが
復興には時間がかかるだろう。
みんな歯を食いしばって、きっとそれでも
笑いながら暮らしてるだろう。
きっと。
そう思いたい。

思い出すってセツナイですね。
あったかい思い出であればあるほど。

今日はそんな事を思い出す日。

2016_3_11.jpg



界松本クラフトフェア 2016

僕の仕事場の窓からは山が見えます。
善光寺の屋根の先端がすこーし見えて、
それは里山を背景にしています。

2月も過ぎ、冬の厳しい時期を過ぎると
山全体がほわぁ〜っと柔らかい雰囲気に、
そしてうーっすらピンク色になってきます。

春ですね。春がやってきます。

うれしい。

長野の春は都会と違って少し肌寒いです。
でもいろんな花が一気に咲き始め、
喜びの季節をお迎えすることになります。
そんな時期がもうすぐそこに来ていますね。
皆様、美しい信州へぜひお越し下さいね。

松本市、浅間温泉の星野グループの高級旅館『界松本』
先日、ちょっと手に取った雑誌の「行ってみたい旅館、ホテル」
に載っておりました。
そんな全国から注目される旅館で展示されております。
昨年もこの時期に要請を受けて展示させていただきました
界松本クラフトフェア
テンション高いですね。昨年の僕(笑)

昨年は錫のうつわで展示いたしました。
館内の一角をしつらえ、アレンジいたしましたが、
今年はアートピースもとのことで、
展示ケースに入れて、美術作品、工芸作品ともに2点の展示です。

なかなか皆さんの目に留めて頂ける場所ではありませんが
一気に咲き誇る花を見ながら堪能する信州の春に
ゆったりとした質の高いサービスをうけ、
世界観を共有して頂けたらとても嬉しいなと思います。

界松本展示2016
プロフィール

角居康宏

Author:角居康宏
モノを作るのが好きです。
モノを作ることによって
人と関わるのが好きです。

誠実に作ったものは
人の心を動かすと思っています。
美術は人に
熱を与えうると思っています。

僕が、たくさんの作品に
心動かされたように、
僕の作ったもので
誰かの力になれたら。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
02 | 2016/03 | 04
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR